インロックを解錠してもらった矢先にまたインロック
 私達は結婚して以来、夫の両親からもらった家に住んでいたのだが、築40年を超えあちこちガタがきていたので、最近になって家を建て替えた。新しい家は密閉性が高いせいか、隙間風だらけだった前の家よりずっと暖かいし、急だった階段もなだらかになって、小さい子供がいる我が家にとってとても優しい家になった。夫と何度もケンカしたけれど、紆余曲折の末、殆どイメージ通りの家に仕上がったので大満足だ。

 玄関ドアのカギをどうしようかという話になったとき、子供たちにカギを持たせるのに、普通のカギだと不用心なので、カード式のキーにしようということになった。ドアのボタンを押してICカードをかざすと、二つあるロックが一辺に解錠され、しかも中に入ると勝手に二つのロックがかかる。子供を抱っこしたまま家に入る時や、荷物がたくさんあるときにはとても便利な機能だ。

 ところがある日、事件は起きた。車で買い物に行き、帰りの車内で子供が寝てしまったので、抱っこして家の中に連れて入った。子供をベッドに寝かしつけ、車内にある荷物を取ろうと外に出たとき、私はうっかりしてドアを閉めてしまったのだ。あっ、と思ったときには時すでに遅し、「カチリ」という無情で無機質な音が鳴り、カギがロックされてしまったのだ。カードキーを家の中に残したまま。散々迷った挙句、やはり方法はこれしかないと、私は夫の両親に電話をかけ、車で10分かけて来てもらうことにした。義父が到着し、預けてあったスペアキーで無事カギを開けることができた。ただそれだけのために来てくれた義父に感謝しながら、私は再び荷物を入れ始めたのだが、学習しない私は再び…やってしまったのだった。

 再び義父を呼び戻そうか、いっそのこと夫に仕事を抜けてもらって一時間かけて来てもらうおうか。そんなときに不謹慎だと思いつつも、私の頭の中で回っていた一句がこれだ。
「インロック 外した矢先に インロック」